テーマ:小説

読まれない三島由紀夫

日本人全体が紙の本から縁遠くなりつつある現在、三島由紀夫が読まれなくなっているのに、隔世の感がある。 大学生で三島由紀夫を読んでいるのは、10パーセントにすら達しない。私が明治大学法学部で担当している授業で、読んだことのある人が、ある科目では一人、別の科目ではゼロだった。   三島由紀夫を読まないスマホの足長青年  夏石番矢…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

コールサック社合同出版記念会

2018年12月1日(土)午後1時半より、中野サンプラザ7階研修室でコールサック社主催の、 『沖縄詩歌集~琉球・奄美の風』 詩選集『私の代表作』 「コールサック小説文庫」 アンソロジー合同出版記念会 に、鎌倉佐弓と出席。夏石と鎌倉の俳句が、『沖縄詩歌集~琉球・奄美の風』に収録されている。 講演は、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

高橋和巳『悲の器』読後感想

高橋和巳の長編小説『悲の器』を、自宅で風邪で寝込んでいる間に読了した。 読了して、この小説のポイントは何かはっきりしない。必ずしも成功作ではない。 ただ一つ明確に言えることは、法律のわからない法学部教員を、1987年から31年務めてきた私の経験から、この小説が書かれたときとは違って、東大法学部を頂点とする日本の法学部、法学界…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

島尾敏雄の文体は浅薄

『島尾敏雄全集』全17巻(晶文社)を購入して読んでいるが、あまり感心しない。 島尾の文体には、独自性が希薄で、薄っぺらな散文。本物の詩人、文学者の作品には、本人が意識しない何かが付加されていて、それが最大の魅力。 『夢日記』などの夢の記述も、独りよがりの味気ないもの。この人には、基本的に持ち味がない。また、人間精神の奇怪さ複…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ジャリ『超男性』を読む

アリフレッド・ジャリの小説『超男性』(澁澤龍彦訳、白水社、1975年)を読む。 買っておいて40年以上も通読する機会がなかった。 原書は、フランス語で、1902年刊。原題は、 Le Surmâle ジャリを、シュルレアリスムの先駆者として、アンドレ・ブルトンらが評価した。 この小説は、短…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

作家M・S君の衰弱ぶり

入院中は、自宅では見ない、いや地デジにしなかったので見れないTVを、地デジとBSで観た。 BSテレビ朝日だったか、隠れキリシタンを長崎の島々を巡って取材した番組で、ごま塩の頭髪と髭の男がレポートしていた。かなり平凡な説明。 誰だろうか、もしかして小説家M・S君ではないか、いやこんなに冴えない凡庸な風貌ではないはず、などと思い…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

永井荷風『濹東奇譚』を読む

ぶりかえした風邪の寝床で、永井荷風の『濹東奇譚』を読む。これまで何度も読もうとして、投げ出してしまった小説。 アメリカとフランス在住体験のある荷風は、日本の近代を偽物として苦々しく受け取っただろう。 新聞を読まないとか、ラジオがうるさいとか、日本のメディアの虚偽性を、この小説の主人公に言わせている。 しか…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

太宰治の功罪

体調があまりよくないときに、太宰治を読むと次第に落ち込む。 この人の芯のなさ、未熟さ、くどい繰り返しに、物足りなさを感じるようになる。 もう一段階上の境地に達すべきところを避けて、情死してしまった。 『新ハムレット』『お伽草子』などの再話ものは、できがいい。   桜桃は種も残さず水の底  夏石番矢 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

忘れ去られる戦後文学?

M大H学部学生に授業中質問したところでは、夏目漱石の小説を読んだことあるが、 大江健三郎 三島由紀夫 の小説を読んだことがない学生が多かった。 この二人の戦後日本文学の担い手は忘れ去られてゆくのだろうか? ところで、新潮文庫の三島由紀夫『金閣寺』は、誤植だらけ。急ごしらえで出版し、訂正することなく今日にいたって…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

虫歯治療と村上春樹

春めいてきたが、空気の芯がまだ冷たい。右上奥から2番目の虫歯治療が始まる。南浦和の西村歯科クリニックで。予想よりも虫歯を削ったダメージが少ない。 同クリニックが4階にあるビルの1階は書店。治療前に入り、村上春樹の新作『騎士団長殺し』の出だしを読む。 作者独自の文体のないへろへろ文章。出だしだけで、村上春樹はクズ作家だとわかる…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「俳句界」5月号あて通巻250号祝いの小文

月刊「俳句界」2017年5月号(文學の森)あて、通巻250号祝いの小文を書いて送る。 出版メディアが瀕死の現在、この雑誌は貴重な存在。 村上春樹が話題になる小説の世界も、ひどい衰退状態。 私の小文の最後は、編集長がいつも感じておられることらしい。いい企画を立てても、執筆者が寝ぼけているのでは、不完全燃焼。ストレスも溜ま…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

フランツ・カフカへの幻滅

この年末年始、新潮社版『フランツ・カフカ全集』の主要な小説を読んだ。 はっきり言って、幻滅。この程度かという印象。 「変身」は、たとえば、主人公ザムザがあの世から回想する設定にしたほうがいいのではないか? 「アメリカ」は未完。アメリカン・ドリームがまだ生きていた時代の、なつかしい作品。 「城」も未完。不条理な官僚…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『カフカ全集』入手

ネットのオークションで、『カフカ全集』全6巻入手。ネットの古書店ではすべて品切れだった.新刊本の全集は高い。 第1巻 箱とカバー 第1巻 奥付け 初版発行の1953年から63年年経過。入手した1977年の第8刷から39年経過。 紙の質が悪い。フランツ・カフカの皮膚のようだ。 結局、この人生で、カフカ…
トラックバック:1
コメント:0

続きを読むread more

第8回うたげの会

第8回「うたげの会」 日時/2016年10月16日(日曜日)14時~17時30分 (13時30分開場) 場所/大阪経済法科大学・東京麻布台セミナーハウス2階 〒106-0041 東京都港区麻布台1-11-5,TEL03-3582-2922 報告/福嶋亮大 「文学史の「難民」としての演劇――『厄介な遺産』補遺」 コメンテ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

佐伯彰一先生を偲ぶ会

2016年3月26日(土)午後5時~8時まで、東京・神田錦町の学士会館で、 佐伯彰一先生を偲ぶ会 が開かれ、出席する。 出席者約60人。出席者名簿を下に。 最年長は何歳の方かは不明で(90代?)、最年少は49歳の西原大輔さん。 佐伯彰一先生の訃報 http://banyahaiku.at…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

中勘助『銀の匙』読了

中勘助『銀の匙』(岩波文庫)読了。高校生のときから何度か読もうとしたが、いずれも挫折。 昨秋から、中勘助の生まれ育った神田東松下町へは、週一回通っている。 この小説に出てくる柳森稲荷はいまも神田川べりにあり、稲荷より狸が有名になっている。毘沙門天はどこにあるのかわからない。   川濁り狸に巨大な石の睾丸  夏石…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

高杜一榮『蚕の旅』読了!

高杜一榮『蚕の旅』(文藝春秋企画出版部、2013年6月30日)を読了。 19世紀後半、ナポレオン3世と徳川家茂の交流を、小説形式で描いた1冊。 ヨーロッパで流行病のため壊滅状態となった蚕の輸入先として日本に接触したフランス第2帝政のナポレオン3世は、蚕の提供者、江戸幕府第14代将軍徳川家茂を通じて、米英に対抗するため…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「俳句界」11月号原稿送る

9月10日の南米コロンビアへの出発に向けて、諸準備。月刊「俳句界」(文學の森)11月号への原稿を、約1か月早く送付。 既発表句でもいいとのことで、このブログから近作5句を選ぶ。 現実社会は、実は大変動が起きているが、ほとんどの日本の詩歌人は、内向き閉塞か、ピンボケ、小説は消耗品。 …
トラックバック:1
コメント:0

続きを読むread more

佐藤春夫『のんしゃらん記録』など

大学生時代に買って読んでいなかった、渋沢竜彦編『幻妖 日本文学における美と情念の流れ』(現代思潮社、1972年)の1974年第2刷を読んでいる。 実家に放置してあった本で、買ってから38年たってから楽しんで読んだ。この間、本の「天」のところに、ゴキブリが卵を生んだこともあった。 この黒いアンソロジーを読んで、編者渋沢…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

高い放射線量とホセ・マリア・アルゲダス『深い川』

1月5日(木)、自宅でホセ・マリアアルゲダスの『深い川』(現代企画室、1993年)を昨日から読み続ける。その他は、眠るか、食事。 笹久保伸が、ペルーでリリースした、CD、A Jose Maria Arguedasの美しさの秘密を知りたかった。 CD、A Jose Maria Arguedasはいい!!! http://ba…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

小説は批評

芥川賞や直木賞が、出版売り上げのプロモーションに堕してから、どれぐらいの年月が経過したのだろう。 イタリアのユリウス・フランゾットから、イタリア版『空飛ぶ法王』を受け取ったとのメールに、次のようなメッセージが続いていた。 I am now very busy with public presentations of my l…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

季語と小説家・詩人

自分が現代語で作品を書いているから、俳句は伝統的季語を使うという小説家や詩人は、信用できない。 彼らは、自分の小説や詩で使用している日本語が欠陥であり、自分が書いている小説や詩が欠陥であるということを表明していることに気づかない馬鹿である。 そして、彼らの俳句も、ほとんどが無残である。 季語に伝統が蓄積されているから、…
トラックバック:0
コメント:5

続きを読むread more

司茜詩集『塩っ辛街道』感想

司茜詩集『塩っ辛街道』(思潮社、本体価格2600円、2010年12月)を読んだ。とびきり凄い詩集ではないが、庶民的情感が、あまり技法をこらさず表現され、しかし生きていることの不思議さ、関西の歴史などを考えさせてくれる。 著者、司茜さんは、1939年現東大阪市生まれ、福井県高浜町育ち、大和郡山市在住。大阪文学学校のメンバー。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ON THE ROADを読む

7月の授業のために、ジャック・ケルアック (Jack Kerouac) の、ON THE ROADを読了。青山南訳『オン・ザ・ロード』(河出文庫、2010年)をメインに、ときどきPenguin Books版を見る。和訳は読みやすいが、英語原文のリズムや歯切れのよさをあまり気にしていないようだ。 話の節目に不意に登場する「白髪の老人…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

7時間待機と『放浪記』

1月26日(火)、午後12時半から7時半まで、M大学I校舎の研究室で、ある仕事のため待機。 その間、林芙美子『放浪記(第1部)』を読む。昨年の大晦日、はじめて尾道を訪れ、林芙美子を思い出していた。時間をもてあますかと予想したが、日記形式なので、読み飛ばさず、じっくり読了。 読みながら、種田山頭火の日記を思い出す。定住せず、当…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

幸田露伴を読む

昨日の㊙の仕事で、M大学の年内の仕事は終了。今日は早く起きたが、また昼近くまで眠る。横になりながら、『幸田露伴全集第六巻』の短編小説「骨董」「幻談」「連環記」などを読む。「連環記」はまだ読みかけ。 露伴のような骨太で包容力のある大人が、小説家にも、いまの日本全体にも欠けていると思う。露伴の五十代にくらべれば、私は子ど…
トラックバック:1
コメント:0

続きを読むread more

漱石の『永日小品』を読んで空飛ぶ法王俳句

夏目漱石の『永日小品』を読んで、空飛ぶ法王俳句が1句生まれた。このところ小休止の空飛ぶ法王が、復活するだろうか?     地球より大きな火事あり飛ぶ法王  夏石番矢 参照 『空飛ぶ法王 161俳句』ネット販売開始! すでに五つ星! http://banyahaiku.at.webry.info/200811/art…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

松本清張の短編小説

このところ、寝る前に文庫本を読んでいる。一篇も読んでいなかった松本清張の短編を20篇ぐらい読み終えたが、きれいに余韻がない。これは何だろう。まったくの暇つぶしができただけ。元編集者のY・Sさんに電話すると、清張は傲慢で上昇志向の男だったとか。 情緒や余韻がないのは、左脳だけで書いているのだろうか? これから読み継がれないということ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

大江健三郎の到達点から

淳心学院高校生時代に、大江健三郎がいいと同期の第15回生に公言していたが、東京大学入学後、大江の小説から遠ざかっていた。 東京ポエトリー・フェスティバル2008が成功裏に終了してから、大江の『河馬に噛まれる』を読んだ。また、『大江健三郎小説』1~10(新潮社)を購入し、その最後の10収録の『燃えあがる緑の木』を読んでいる。いま、第…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『万延元年のフットボール』感想 現在の退廃を救えない

私が小説を読むのは、精神的に落ち込んだときが多い。大江健三郎『万延元年のフットボール』(講談社文庫、1971年)を読了。 この小説は、六〇年安保後の精神的虚脱から、いかに回復するかがテーマ。 主人公根所蜜三郎の弟、根所鷹四が主導する反乱の部分が興奮させ、読み物として面白いが、この後どのような「新生活」が主人公に始まるのかが、…
トラックバック:1
コメント:0

続きを読むread more