『古事記』ノート(12) 隕鉄の剣

現在発見されている最古の鉄剣は、トルコのアンカラ郊外の王墓から発掘されたもので、4300年前に隕鉄から作られたものだったらしい。『古事記』には、隕鉄を暗示する神々が登場している。

於是伊耶那岐命拔所御佩之十拳劔斬其子迦具土神之頚

尓著其御刀前之血走就湯津石村
所成神名石拆神
次根拆神
石筒之男神【三神】

火の神カグツチを、イザナキが十拳の剱(トツカノツルギ)で斬り殺したときに、神聖な岩の群れに生まれる神々が、隕石と隕鉄を暗示している。

石拆神、根拆神の二神は、石や樹木の根を裂いて、落下する隕石の威力を表し、石筒之男神は、石=筒(星)の神で、隕石そのものを表す。筒(ツツ)を星ではないとする説もあるようだが、私は筒=星説を支持する。

次に生まれる神々も、私の解釈を補強してくれる。

所成神名甕速日神
次樋速日神
次建御雷之男神亦名建布都神
 【布都二字以音下效此】亦名豊布都神
【三神】

これら二つの速日は、力に満ちた太陽よりは、高速度の天体である隕石を暗示していないだろうか。そして、布都(フツ)は、神聖な鉄剣、もしくは鉄剣に宿る神霊を指すだろう。布都御魂は石上神宮に祀られている。

布都御魂
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%83%E9%83%BD%E5%BE%A1%E9%AD%82
    
おもしろいのは、イザナキが持っている十拳の剱がどうやって作られたか、『古事記』にまったく言及がないこと。こういう不可解さや矛盾が、苦心してまとめあげた『古事記』の特徴でもあるのだが。

こののち、十拳の剱は、イザナキが黄泉から帰還するとき、黄泉の軍勢を追い払うのに使われ、さらには、スサノオが天の安河の誓約(ウケイ)や大蛇退治で活用する。イザナキの遺産として譲り受けたのだろうか。

    隕石は天の怒り王の剣として眠る  夏石番矢


参照
4300年前…最古の鉄剣の謎解明 原料は隕石だった!
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080903/trd0809030129000-n1.htm

『古事記』ノート(11) 命の主
http://banyahaiku.at.webry.info/200911/article_23.html



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この記事へのコメント

山陰歴史ファン
2010年01月07日 19:02
はじめまして。わたしは古代出雲の金属史に興味をもっていて出雲大社のかえりにちかくの古代出雲歴史博物館にいったことがあります。たくさんの青銅器に圧倒された覚えがあります。あと錆びずに発掘された鉄刀の記憶もあります。島根県安来市のかわらけ谷ってところで発掘されたらしいので古事記などにでてくる三種の神器の一つ草那芸之大刀と関係していそうな不思議な鉄刀だと感じたおもいでがあります。
ヤッホー
2010年03月01日 17:54
草那芸の大刀は一説によると熱処理により強靭化された鋼製だということです。それでこの大刀にあたった十握の剣が欠けたというわけです。その大刀も鋼製では?磨いたときの光沢で鉄か鋼かはわかります。やわらかい鉄はなかなか鏡面化しないためです。
小沢
2010年03月11日 00:41
今度NHKの連続テレビ小説ゲゲゲの女房の本を読んでいたら、神等去出って神事のことがのっていました。少し気になって起源を調べたら安来の比婆山と関係するらしい。昔、安来鋼に神が宿ると言われていたことと関係するのだろうか。
大力神
2011年01月13日 09:57
 ロスチャイルドってトルコ系だったっけ?

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