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モネには、さまざまな側面があるが、とくに天上的美しさを現出しているのが、1899年作の、 Charing Cross Bridge チャリング・クロス橋 モネは、1899年から1901年までの3回の冬を、ロンドンで過ごし、その際にはサヴォイ・ホテル(現在五つ星ホテル) http://www.hotelclub.net/Common/Maps/Map.asp?HotelID=11954 に滞在して、テームズ川や橋をホテルから眺め、テームズ川沿いの朦朧とした光景を描く。これは、浮世絵の江戸に、川と橋がよく登場したことがヒントになっているだろう。 上の油絵は、晴れていても暗さがにじみ出るロンドンで、めずらしくもひととき垣間見られた朝の天上的きらめきをとらえている。真珠のようなやわらかい輝きで、画面が満たされている。 ロンドンは何度か訪れたが、明るいときでも、芯から暗さがにじみ出す都市だ。留学中の夏目漱石が、精神的に滅入ったのもうなづける。そういうロンドンで、マネはひとときのパラダイスを発見した。 この絵は、小牧市のメナード美術館所蔵。このほか、日本で所蔵されるモネの絵はそれほどめずらしくなく、日本人は結構モネが好きなようだ。それは、モネのおだやかさや、モネに吸収された日本に親しみやすいからだろう。 チャリング・クロス橋は、ロンドンでも目立つ立派な橋ではない。この絵の朝日の反射が美しければ美しいほど、この橋付近のテームズ川の光景が一時的なはかなさに包まれるが、すぐに消え去る瞬間を楽しむ喜びも教えてくれる。 この絵では、細かい波としての光を、モネはとらえているようだ。その波のゆらめきの、はかなさと貴重さ。私はここに、明るいもののあわれを感じる。 透明静脈朝の川には微塵の冬日 冬の朝の川にひととき浄土のまぼろし 霧に朝日粗末な橋に奇蹟のひととき 夏石番矢 |
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