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zoom RSS 内モンゴル詩人、斯琴朝克図さんとの再会

<<   作成日時 : 2006/11/09 18:13   >>

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一昨日の11月7日、内モンゴル詩人、斯琴朝克図(R・スチンチョクト)さんがわが家を訪れた。日本に帰化した内モンゴル出身の富川力道(内モンゴル名バー・ボルドー)さんと一緒である。今年の1月に東京で、内モンゴルへの帰国送別会を、彼のために開いて以来の再会。

送別会の報告記
http://www.worldhaiku.net/news_files/events/japan/ChaoketuSiqin/c.siqin.htm

今回のわが家での写真を下に。



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        写真左が斯琴朝克図さん  中央が鎌倉佐弓  右端が夏石

日本の現代詩人は、いざしらず、海外の詩人には、本当に詩人だ、と思わせてくれる人がいる。斯琴さんも、その一人。彼のまわりには、大草原の風がいつも吹いている。

昨年の10月、突然、わが家のベルを、斯琴さんが押したことが、彼との出会いだ。ちょうど私が『世界俳句2006』を校了して、休息のため横になっているとき、斯琴さんが、わが家にたどり着いた。前年に出した『世界俳句2005』を持参して、世界俳句協会にぜひ入りたいと、たどたどしい日本語で私に頼む。パスポートまで見せてくれたので、本気だということがわかった。

そこで、急遽、斯琴さんが携えていた詩集に収録されている、モンゴル文字の俳句三句を、スキャンし、和訳を二人で作り、のちに富川力道さんにチェックしてもらった。

斯琴朝克図さんの三句は、『世界俳句2006』(七月堂、2005年)の、和文・欧文とも、46ページに掲載されている。

    草原に根付く/テントの足/光の海を泳いでいる   斯琴朝克図

それから、彼の帰国まで、何回か、斯琴朝克図さんは、わが家を訪れてくれた。ケルトやスキタイの展覧会のカタログや、江上波夫さんが解説するスキタイ芸術の番組、シルクロードの番組、元帝国についての番組のビデオを、二人で見ながら、古代ユーラシアについての、意見を交換した。考古学者や日本古代史学者は、江上波夫の騎馬民族国家説を否定しているが、それは大きな誤りだ。大筋で、江上説は正しいと、私は考える。

蒙古斑は、モンゴル人、日本人、イヌイット(エスキモー)の嬰児にしか表れないという事実を、忘れてはならない。これは、騎馬民族が日本列島にやってくるずっと前からの、遺伝子上の近さがまず、モンゴル人と日本人の間にある。
ユーラシアと日本の間には、さまざまな「交換」があったにちがいない。弥生時代、古墳時代の人々や文物の渡来も、その一部分にすぎない。

昨年12月、東京開催の、日欧現代詩フェスティバルin東京の「俳句セッション」で、斯琴朝克図さんに、俳句をモンゴル語で朗読してもらい、和訳を私が読んだ。その模様は、斯琴朝克図さん帰国後、内モンゴルのテレビで放映されたそうだ。

画像


帰国してからも、内モンゴルの古代の岩刻画の小冊子、斯琴さんが表紙を飾る文学雑誌などを、富川力道さんを経由して送ってくれた。また、私の俳句のモンゴル語訳も、内モンゴルの雑誌「シリンゴル」に掲載されるよう、斡旋してくれた。おかげで、モンゴル人のように日焼けした顔写真入りのページが、私のために生まれた。

http://www.geocities.jp/ginyu_haiku/anthology/banyashilingol.htm

帰国後、斯琴朝克図さんは、モンゴルの国際詩祭、第26回世界詩歌集会「偉大なるチンギスカーン詩歌大会」で、第二位の栄誉に輝いた。その小冊子も、今回持参してくれた。



画像


そこに、斯琴朝克図さんの詩「チンギスカーンの鞍」が、モンゴル語、英語、中国語、日本語で印刷されている。その一部分を引用しよう。

    飛び出れば馬繋ぎ柱に
    秋の風が鳴く
    遥かな青空を白鳥の群れが
    泣きながら飛んで行く
    (中略)
    汗に浸かった鞍がオルドスにある
    鞍が側壁に置いてあるから
    どこまでも行けると思う

斯琴朝克図さんたちと飲んでいて、ひさしぶりに酩酊してしまった。「ふるさとの親友」と出会って、心の緊張を取り払ったせいだろう。

次に再会するのは、来年の9月だろうか。斯琴朝克図さんは、東京開催の、第4回世界俳句協会大会に、必ず参加するとのことだ。

























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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
お久しぶりです。
番矢さんは俳句を通して色々な国の方と交流を深めているのですね。今の時代、とても素晴らしい事と思います。
ところで以前の日記に比較文化の講義に学部外の人間も参加していいとありましたが、私のような人間も参加してよろしいのでしょうか?浮いてしまって番矢さんに迷惑がかかってしまったら…
講義を受けている生徒の方々がとても羨ましい…
たま
2006/11/09 20:06
はい、大歓迎です。どうぞお越しください。
明治大学駿河台校舎リバティータワー12階、1124番教室で、水曜日午後2時40分から午後4時10分まで、「比較文化論U」を開講しています。
Fujimi
2006/11/09 20:11
富川です。先日はスチン(斯琴)さんとお邪魔させていただき、たいへん楽しいときを過ごすことができました。
 翌日、二人で江東区にある芭蕉記念館や芭蕉縁の地などをたずねました。先生との出会いがスチンさんの文学才能をさらに向上させ、モンゴル俳句作成への関心を無限に広げたようです。わたしも今まで以上に俳句に愛読し、今後は日本とモンゴルの俳句の交流に翻訳者として深く関わって行きたいと思います。
 今後ともご指導のほろお願い申し上げます。
富川
2006/11/11 01:01
ひさしぶりで、酩酊しました。最後は覚えていません。
大変失礼しました。鎌倉佐弓によると、奈良のお水取りのビデオを見ながら、斯琴さん、富川さん、お二人とも、「内蒙古に似ている」とおっしゃったとか。
Fujimi
2006/11/11 08:23
斯琴さん、富川さん、お元気なご様子ですね。益々のご活躍を期待しています。
番矢さん!お水取りが内蒙古に似ているとは、興味のある話です。
パオ
2006/11/11 19:39
お水取りの声明は、グレゴリアン聖歌にも似ていると言われています。お水取りの儀式には、仏教のみならず、キリスト教、ゾロアスター教の要素が入っているそうです。読み上げられる神名帳の「青衣の女人」は、たぶん聖母マリアでしょう。

Fujimi
2006/11/12 02:20

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