本間とろ第2句集『ガラス』
加古川市在住の自由律俳人、本間とろさんから第二句集『ガラス』(牧歌舎、2019年6月、本体価格1200円)が、なぜか1年遅れで送付されてきた。1972年生まれ、俳誌「青い地球」同人。第一句集『純真』(2017年)。
カバー

奥付け

第一句集は、まだ書き方が不安定で不十分だったが、この第二句集では作風がぐんと向上している。
生きていることの根本的な悲しさが、飾り気なく、すらりと詠まれていて、好感を持った。あの夏井いつきに代表される有季定型「お俳句ごっこ」には皆無な現代の詩としての中身がある。
帯に印刷され、句集のタイトルにもなった句は、いまいち。
ガラスみたいといわれてぱりんと割れた
全五章のうち、最初の章「街」から秀句を挙げておこう。現代生活のなかから、現代日本語で「詩」を生み出している。
板ガラスを切り落とすような怒り
見えないかすかな風の応援団
雨降る信号機は美しい宝石
人生が書店で立ち往生していた
生け花を夜明け前から活ける
一読をおすすめしたい。
カバー

奥付け

第一句集は、まだ書き方が不安定で不十分だったが、この第二句集では作風がぐんと向上している。
生きていることの根本的な悲しさが、飾り気なく、すらりと詠まれていて、好感を持った。あの夏井いつきに代表される有季定型「お俳句ごっこ」には皆無な現代の詩としての中身がある。
帯に印刷され、句集のタイトルにもなった句は、いまいち。
ガラスみたいといわれてぱりんと割れた
全五章のうち、最初の章「街」から秀句を挙げておこう。現代生活のなかから、現代日本語で「詩」を生み出している。
板ガラスを切り落とすような怒り
見えないかすかな風の応援団
雨降る信号機は美しい宝石
人生が書店で立ち往生していた
生け花を夜明け前から活ける
一読をおすすめしたい。
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