古事記ノート(18) 天の死と更新

ひさしぶりで古事記ノート。明治大学法学部の乾ゼミ(古事記)も続いている。

須佐之男命の勝さびと天の岩屋戸につての新解釈。ここで、太陽に限らず、天全体の死と更新が語られているとの私の見解。

天照大御神。坐忌服屋而。令織神御衣之時。穿其服屋之頂。逆剥天斑馬剥而。所墮人時。天衣織女見驚而。於梭衝陰上而死【訓陰上云富登】

この忌服屋は、天にある。天で織る布は、太陽、月、星を秩序よくちりばめた空自体を指すのではないか。これをアマテラスと機織女が織るのは、天空と天体の更新を暗示しているのではないか。皮を逆剥ぎにされた天の斑馬は、やはり天空と天体の象徴(ネリー・ナウマンの説に従う)。馬の斑点は、天体をちりばめた天空を暗示。皮を剥がされたのは、これもやはり死と更新を示す。織姫の死も、アマテラスの分身の死であり、更新の前の死を意味する。

そして、アマテラスが、天の岩屋戸に籠る。

故於是天照大御神見畏。閇天石屋戸而。刺許母理【此三字以音】坐也。爾高天原皆暗。葦原中國悉闇。因此而常夜往。於是萬神之聲者狹蝿那須【此二字以音】皆滿。萬妖悉發。

天空と天体の死と更新を暗示した前段からの流れに沿い、太陽神アマテラスが岩屋戸に籠るのは、スサノヲの乱暴のためではなくても、自然な展開。

天香山之五百津眞賢木矣。根許士爾許士而【自許下五字以音】於上枝。取著八尺勾〓之五百津之御須麻流之玉。於中枝取繋八尺鏡【訓八尺云八阿多】於下枝取垂白丹寸手青丹寸手而【訓垂云志殿】

天の香山から根っこごと引き抜いてきた賢木(さかき)は常緑樹で、宇宙の中心、世界樹。クリスマス・ツリーもその一種。世界の中心軸を模した樹木に、玉、鏡、和幣(にぎて)を飾るのは、宇宙を復活させる儀礼。

アマテラスの岩屋戸籠りを、冬至、日食のどちらとも解釈していいが、天の衰弱と死の最も端的な神話的表象が基本にある。

そこに、女性器が二度登場。天の織女の突かれた陰(ほと)と、アメノウズメの露出された陰(ほと)。どちらも、生命力を象徴。前者で生命力は衰弱し、後者では復活させる。

皮を剥がれた天の斑馬は、天体の運行を担う天馬であるとともに、男性器の面影も見られる。その場合は、死をもたらす破壊力の象徴。

  さらされた性器に闇も笑い出す

  性器から太陽昇る死者の森  夏石番矢

古事記は、読めば読むほど、違う世界が開けてくる。 
  

参照
古事記ノート(17) 仏訳古事記入手
http://banyahaiku.at.webry.info/201207/article_15.html

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