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1996年から1998年のパリ滞在中、借りたアパ−トに遠くないオルセー美術館には、あまり行かなかった。もったいないことをしたと思うが、当時の私の関心は別なところに向いていた。 3月3日、大学関係の懇親会のついでに、上野の東京都美術館(企画展示室)の「オルセー美術館展」を見に行った。 土曜日なので、人が多い。ゆっくり絵を鑑賞できる環境ではない。それでも収穫はあった。 ポール・セザンヌの≪サント=ヴィクトワール山≫(1887年―1890年)を、少しじっくり見ることができたのである。写真では、とても固い絵だが、実物には、南仏の空気が感じられた。 この絵全体に、ふわっとした南仏の空気が漂っている印象を受けたのである。やはり絵は、実物を見ないといけない。 この絵を見ているとき、女性の声で、「日本みたい」との声が聞こえた。セザンヌは、他の印象派の画家とは違い、日本の浮世絵などを無視していたように言われているが、北斎の≪富嶽三十六景≫の影響はあるだろう。 この絵の左に描かれている松は、南仏を含む地中海沿岸によく見られる松だが、日本の浮世絵にも、このように近景に松を配置した例は少なくない。 頑固なポール松と山とを絵に盗む 松と山のあいだに空気ふわりと空気 夏石番矢 参照 魔の山 サント=ヴィクトワール山(1) http://banyahaiku.at.webry.info/200612/article_21.html 魔の山 サント=ヴィクトワール山(2) http://banyahaiku.at.webry.info/200612/article_22.html 魔の山 サント=ヴィクトワール山(3) http://banyahaiku.at.webry.info/200612/article_24.html 魔の山 サント=ヴィクトワール山(4) http://banyahaiku.at.webry.info/200612/article_27.html |
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