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この二日間で、池田理代子の『ベルサイユのばら』を、興奮のうちに読了した。日本の「ベルばらブーム」のさいも、オスカルがどういう人物で、どうして女性に人気があるのか、私は理解できなかった野暮天である。 私が遅ればせに読んだのは、集英社文庫の5巻本。 まず、オスカルという架空の男装の麗人を、主人公の一人に据えた作者の工夫に、敬意を表したい。 オスカルは、性においても、階級への帰属意識においても、ボーダレス。中性的人間を好む日本女性に(昨今のヨンさまブームも同様)、愛されないはずがない。また、オスカルの芯には、サムライ精神がある。バタ臭いサムライだから、日本女性には、新鮮に映ったのだろう。 ベルサイユと言えば、ベルサイユ宮殿には、1996年9月から1998年3月までの、在外研究時代に、何度か行ったとがある。その敷地の広さにびっくりした。とにかく、庭園が広大。 ブロンドの小鳥は去りて十字架運河 『地球巡礼』(立風書房、1998年) 湖のような池があり、運河もあり、森もあり、そこは別天地。 けれども、宮殿内部では、期待した鏡の回廊なども、さほど美しいと感じなかった。写真ではきれいに見える装飾も、細部の仕上げが荒い。これは、ヨーロッパ全般に言えることがら。日本のもの作りの精妙さを、ヨーロッパで再認識した。 また、はじめて一人で訪れたとき、正面入り口付近が、敷石の凸凹と傾斜によって、とても歩きにくかった。これは、歩行者用の入り口ではなく、馬車用の入り口であり、庶民を拒んだ作りだと思った。 ベルサイユ宮殿にも、いい思い出がある。 毎年、夏に、花火を打ち上げるため、夜も、その日だけ入場できる。私たちは、一家三人、1997年7月20日に、ヴェルサイユ宮殿の「夜祭」(Fête de nuit)に行った。 花火そのものの写真は写せなかったが、打ち上げ前のヴェルサイユ宮殿の庭園を撮った。ヴェルサイユの花火は、日本の花火とは違い、実際の金の砂粒、銀の砂粒のようなきらめきと質感があった。 金砂銀砂の花火渦巻くベルサイユ 『地球巡礼』 その華美に、かつてのブルボン王朝の繁栄の余波を見た気がした。 |
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