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zoom RSS 熊野・中上健次の思い出(2)

<<   作成日時 : 2006/11/01 00:04   >>

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句集『楽浪』の句に沿って、熊野と中上健次の思い出をだどってみたい。
この句集の「熊野讃句」は、次の句で始まる。

    みなかみに声の列柱あり薄暮   『楽浪』

これも、熊野本宮大斎原(おおゆのはら)の印象をもとにした俳句。この聖地は、明治22年の洪水で社殿が流失するまでは、熊野本宮があった場所で、熊野川の中洲。



http://www.mikumano.net/meguri/oyunohara.html

ここでは、音があたりの山に反響して、とてもよく響く。1991年の8月4日に、都はるみが、ここで復活コンサートを行なう。
そのコンサート直前の写真を下に。左下の隅に、妻と一歳になった娘が小さく写っている。

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このコンサートでは、前から二番目の席に座り、都はるみの歌声を堪能する。カラオケでも、都はるみの「夫婦坂」「小樽運河」「千年の古都」は私の十八番。

熊野は、荒々しい海近くまで山が聳える地形。わずかな平地に集落が点在する。まず魅了されたのが、海辺のダイナミックな風景。子どものころなれ親しんだ瀬戸内海沿岸とは、対照的。「海金剛」と呼ばれる海岸が、串本にあった。

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    うみやまの金剛すなわち母の膝   『楽浪』

「金剛」は、ダイヤモンドのこと。だが、決して美しい宝石を指しているわけではなく、険しい岩を表わしている。厳しい自然は、それでも生命をはぐくむ母性を持っている。母性と父性の峻厳な結合を発見した。

    兄達の枕はさくら熊野灘        『楽浪』

中上健次との出会い以後に生まれた俳句には、なぜか最初から、「死」の影が混じり込んでいた。それは中上健次の小説の投影でもあるが、それよりも、出会ったときから、私は中上健次に「死」の影を感じていたのかもしれない。

    ふるさとは海に溺れよ茜雲      『楽浪』

    泣き虫のかんぬし眠れ枯木灘    〃

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熊野は、本州最南端の南国であるが、どこか悲しく暗い過去の記憶も残った土地。私の句にも、そういう面が投影されても不思議ではない。

    わかざくらスサノオの胸また濡れる 『楽浪』

    ふりかぶれ熊野の蝉の鬱の歌    〃









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